アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)とは、主としてアトピー素因を持つ人に生じる、慢性的に続く皮膚の病気です。
アトピーという名前は「奇妙な」「原因不明の」という意味のギリシャ語「アトポス」から由来しているとされています。
多くの場合、乳幼児期に始まって、良くなったり、悪くなったりをくり返しながら長期間続きますが、年齢によって少しずつ症状が異なり、成人になるに従って症状が緩和される傾向があります。
アトピー性皮膚炎の大きな特徴は、強い痒みと治りにくい湿疹(皮膚の炎症)です。
激しい痒みに耐えることができずに患部をかき続けることによって、さらにかゆみが激しくなるという悪循環をしばしば繰り返します。また、あまりのかゆさに夜寝ることができなくなることもあります。
アトピー性皮膚炎の症状 −湿疹
アトピー性皮膚炎の症状は、左右対称に湿疹が発生し、身体の広い範囲に起こり、慢性に繰り返すことが多いです。
湿疹は、おでこ、口のまわり、目のまわり、首、肘・膝・手首などの関節周囲、および背中やお腹などに出やすく、左右対称性に現れます。
乳児期では、顔を中心に赤くガサガサした湿疹ができたり、首や肘にも現れますが、脂漏性湿疹やオムツかぶれと区別が難しいこともあります。
幼児期は、手足に湿疹がたくさん現れることが多く、カサカサして鳥肌のような白い点々とした盛り上がりが見られるようになります。一方で顔にはあまり症状は出てきません。
小児期、思春期では、肘やひざ、首などの関節に慢性化した湿疹が目立ってきますが、成長するにしたがって、症状は良くなってきます。
一般的に子供に多い皮膚の症状は、耳ぎれ、ドライスキン、肘の内側や膝の内側の赤いブツブツです。
成人期になりますと、上半身(顔、頸、胸、背)にあらわれる傾向があり、ドライスキンもより目立つようになってきます。
子供の時の症状は、徐々になくなってきますが、成人でも子供と同じ場所に残る場合もあります。
そして、最後に刺激を受けやすい手に残り、手が最後の症状となる人もいます。
アトピー性皮膚炎の症状 −かゆみ
アトピー性皮膚炎の人が最も苦しめられる症状は、痒みです。
特に、子どもは我慢することができずに、血が出るまで引っ掻いてしまいます。
自分で引っ掻くことのできない乳児期では、母乳を飲むときにお母さんの乳房にこすりつけたり、あるいは抱っこされているときにお母さんの服にこすりつけて掻いています。